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学生の声

プログラムを終えて、学びとったことと将来のこと ―4年生にインタビュー

情報医工学プログラムの受講を終えた4年生に、
2年間のプログラムを通して感じたことを話していただきました。

情報医工学プログラムを学んだきっかけは?
進路への影響は?

(司会)「まず初めに、情報医工学プログラムを学んだきっかけについて教えてください。」

北居  潤(以下、北居) 大学のカリキュラムでは医療を学ぶことができないので、興味本位で受講しました。
西條直人(以下、西條) もともと義手に興味があり、情報と医療のシステム工学を学びたかったためです。
北尾光治(以下、北尾) 自分の親が病気ということもあり、また、就職に少しでも有利になると思ったからです。
原田元貴(以下、原田) 小さいころから「医療」の分野に興味があったからです。
後藤あゆ美(以下、後藤)医療とはまったく関係がない学部だったので、このチャンスを生かしたいと思いました。

(司会)「特に興味深かった授業は何ですか?」

北居「内視鏡や輸血ポンプなどの医療機器に関する原理が学べました。工学観点からのアプローチだったので、情報科学の分野にもリンクする場面が多く、わかりやすかったです。」

西條「最新医療ロボの講義です。ダヴィンチという遠隔手術ロボットの普及と特性を学びました。操作性の難しさはあるものの、細かな手作業を緻密に行える技術には、今後の医療工学への期待がとても大きいと感じました。」

(司会)「プログラムのなかでも、ハイライトといえる「実習」について教えてもらえますか?」

西條「普段、絶対入ることのできない集中治療室に入れたのが印象的でした。そこでは、集中治療室用の電子カルテを見せていただきました。普通の電子カルテでは容量が足りないので、集中治療室に対応した情報量の多い電子カルテなのですが、実際に使っている医師や看護師さんでは少し扱いにくい部分もあるそうです。実は、見学の前に就職が決まっていて、すでに就職先で電子カルテを担当することが決まっていたので、研修中に実際に電子カルテが使われている現場を見られたのは良かったです。」

後藤「私は、薬剤部がすごく印象に残っています。薬の箱がたくさん積んであって、皆が手分けをして薬を用意したりしているのですが、間違った薬を出さないように何度も確認したり、スマートに見える最先端医療のなかでも、結局最後は人の目が大切だということを実感しました。

北尾「実際に内視鏡の検査風景を見ました。内視鏡の仕組みとか使い方を学び、体験もできるんです。人体のモデルを使うのですが、どう動かしたらよいとか、実体験までさせてくれたのがよかったですね。」

原田「一番印象が強かったのは、やはり手術。膝の関節を人工関節に取り換える手術だったのですが、扉越しに生で見ることができ強烈でした。また、先生からはチーム医療の大切さを聞きました。ドラマみたいな天才外科医の存在ではなく、皆がそれぞれできることを現場でやっていて、皆の力と技術があってこそ、手術が成功するということを実感しました。」

西條「僕たちのような技術者を含めて、チーム医療が大事だということを実感したよね。」

(司会)「進路には、何か影響がありましたか?」

西條「情報医工学プログラムを受講している人を対象に募集している企業があり、そこに内定が決まりました。医工学で何をしたか、今後何をしていきたいかということを聞かれたのですが、就職に直接つながったと思います。」

北尾「医療系の企業に内定が決まりました。就活ではあまり情報医工学の話をしませんでしたが、実際に医療系の企業を受けようと思ったら、医工学は予備知識にもなるし、情報医工学の話はとても有利にアピールできると思います。」

原田「情報科学部にくると、進路も情報系に狭める人も多いと思うんですけど、視野を広げるという意味ではとてもよいプログラムになっています。他大学との交流もあるので、おすすめです。」

後藤「医学部や看護学部は敷居が高く感じますが、情報医工学は医療系の一つとしてとてもいい選択になるし、他大学の教授に直接コンタクトを取ることもでき、就職や進路にも活用できるのではないでしょうか。」

(司会)「最後に、社会に出てからしたいこと、作りたいもの、夢などを教えてください。」

西條「医師がやることは実際に患者を救うことですが、そこで僕たち技術者がサポートできるのは、医療に携わる人をサポートすることだと思います。例えば、コンピュータに診断結果を入力して病気の推測結果を出し、そこから医師が決断し治療することができれば、医師の負担が減っていくのではないかと思います。実際に、実習で医師の大変さを実感したので、負担を減らしたいな、と思います。」

北尾「今、僕は人工知能の研究をしています。そこで、医療機器に知能を持たせて、医師の負担を減らせる構造を作りたいなと考えています。プログラムで学習させて、記憶容量をつけ、データを取って学習させていけば、医療の現場でとても役に立つものが出来上がると思います。就職先も医療系なので、人工知能を用いた分野に携わりたいです。」

原田「僕は医療系の就職先ではなく、配属先も企画のほうなので、実際に自分で何かを作ることはできないかもしれませんが、インターンシップの中で感じたことがあります。インターンシップでは東北の陸前高田市へ行ったのですが、ネットや携帯が当たり前のなか、震災などでいざ使えない環境となったときどうしたらよいだろうか、と。例えば、トンネルの中やいざというときでも携帯やパソコンが使える環境を作れればいいなと思っています。」

北居「広島大学病院で放射線科にいったときのことが残っていて、放射線を用いた治療装置を作る企業に興味がわきました。広島に、放射線の専門治療機関ができるということもあって、将来の目標としては企業の中で放射線治療装置を作ることに携われたらいいなと思っています。」

後藤「病理部では、亡くなった方の死亡原因をつきとめるために解剖をするのですが、解剖する人が死因となった感染症に罹患するリスクがあるという話をされていました。そこで、私は何かの「物」をつくるのではなく、感染しないための仕組みやシステムを作ることで人を守ることができたらいいなと思います。」

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