工大での実験は、システム工学科ではできない貴重な経験となりました。
情報医工学プログラムのなかでも、とくに印象的だったのが工大で行われた集中講義の電子工学実験です。電気や電子回路を使って部品の特性を調べたり、トランジスタや赤外線ライトの特徴を調べたり、医療機器のハードウェアの基礎知識を一通り勉強した後、最後に設計図を渡されます。設計図に沿って基盤をはんだづけし、指をおくと自分の心拍が測れる装置を作りました。
システム工学科ではロボットを作る実験があるので、基盤などを作ったことはありましたが、設計図から渡されて、その通りに作っていくのは勉強になりました。心拍を測るなど、工学と生体医学を組み合わせた装置を作るのは楽しかったです。
学祭で実際にメーカーの人と会話し、
自分たちのシステムが社会貢献に即つながることを実感。
広大の霞キャンパスで、学祭に参加しました。情報医工学プログラムで勉強したことへ、自分たちのシステム工学科はどのようにアプローチできるかという観点で展示しました。広大には「ダヴィンチ」という、日本でも数台しかない大型の医療ロボットがあります。医師の手術を誤差なく補助する機械なのですが、これらの医療ロボットへ、自分たちの研究がどのように活かせるか、ということを展示発表したんです。そこへは実際に医療機器メーカーの方も見にきていて、「こういう専門のツールや機材はたくさんあるけど、現場では使いにくかったりする。ソフトウェアもわかりにくいことが多い。だから君たちに期待しているよ」というようなことを何人もの方から言われました。自分たちの勉強している分野が、すぐに社会貢献へつながることがわかって、とてもやる気がでましたね。
私はインターフェースの研究室に入るのですが、人間の観点からみて、もっと使いやすいツールやソフトウェを作れたらいいなと思っています。
人の道具として生まれてきたロボットやコンピュータが、もっと医療の分野で活かせて、広島だけじゃなく、日本各地、世界へ向けて広げていけたらいいなと、今実感しています。
里中晴日(情報科学部システム工学科4年生)