病院実習で学んだ放射線治療に利用される実際の装置を見学。
従来の装置が持つ問題点を解決していることに感動した。

見学の一か月前に広島三大学連携情報医工学プログラムの病院実習にて、放射線治療の重要性を目の当たりにしたばかりだったので、とても興味深い体験になるだろうと思い見学に志願した。

まず、三菱重工株式会社の概要を聞き、広島の機械事業部ではどのようなものを製作し、どのようなニーズに答えているのかを理解することができた。その中に今回の見学の主な目的である放射線治療装置があった。 続いて三菱重工が開発したMHI-TM2000の性能についての説明を受け、実際に組み立て工程と試運転を行う工程の見学をした。これらを通して、MHI-TM2000は従来の放射線治療装置の問題点を解決していることが見て取れた。主に感動したのは以下の二つである。

  1. 1. リング形状と精度の高い放射線照射

    形状が従来の放射線治療装置とは大きく異なったリング状であり、フレーム剛性が高く装置自体のたわみなどが発生しにくい。また、独自の首振り機能により放射線照射時の人の呼吸動作にも対応している。加えて、放射線治療において重要な位置補正もロックオンヘッドシステムなどで行っている。これらの技術により、QOLの向上に欠かせない強度変調放射線治療を実現するための高い照射精度を実現していた。

  2. 2. 操作性を考慮したインタフェース

    試運転工程で見学した制御インタフェースでは、実際の装置の挙動や治療計画との誤差のモニタリング、治療順序などを的確に提示しており装置を操作する技師の事も考慮してあった。

主任の一言が、人を助けるシステムや装置の開発に今後も携わりたいという、
より深い決心をするきっかけとなった。

このような最先端の治療機器の組み立て工程や試運転を見学できる機会はあまり無かったので非常に興味深く有意義な時間を過ごすことができた。今回の見学で一番印象に残っていることは、医療システム技術科主任の柴田さんが言った次の一言である。

「治療装置を作ることはとても大変だけど、非常にやりがいがある仕事だよ」

私も人を助けることができるシステムや装置の開発に携わりたいと思っているが、より深い決心をするきっかけとなった。

三倉将太(博士前期課程情報科学研究科システム工学専攻1年:写真右)

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